テレワークの生産性を上げるためのおすすめ本「なぜあなたの仕事は終わらないのか」(文響社、中島聡著)

テレワークの生産性を上げるためのおすすめ本「なぜあなたの仕事は終わらないのか」(文響社、中島聡著)

本の内容を効率よく吸収するコツとして、アウトプットするのが良いということを昔どこかで聞いたことがある。

そんなわけで、今回私が読んだ本「なぜ、あなたの仕事は終わらないか」について簡単にポイントを紹介しようと思う。

この本は、頑張っているのに仕事が納期通り終わらない人、仕事がどうにも上手く行っていない人に読んでもらいたい一冊だ。私もこの本を読んでから書いてあることを実践中だが仕事できる人の仲間入りの兆しがみえてきている!

また、最近流行りのテレワークで圧倒的な生産性を上げるための仕事のやり方としても、本書で紹介している方法はうってつけだと思うので是非参考にしていただきたい。

なぜあなたの仕事は終わらないのか:概要

この本の著者である中島聡氏は、現在世界で最も普及しているWindowsの開発に携わった伝説のプログラマーである。

少年の頃よりプログラムを嗜み学生ながらマウスを使用した画期的なソフト「CANDY」を作成し3億円も稼いだ凄い人なのだが、著者が天才的というわけではなくただ仕事のやり方が画期的だったのだ。(私のような一端のITエンジニアからしたら神様的な人なのだ!!)

本書ではそんな著者がこれまで実践してきた仕事への考え方や進め方について自身の経験を踏まえ紹介している。

そして、実際に我々の仕事に置き換えてどのように適用するのか。どのように実践していくのか、その取り掛か方についても述べている。ただ読んだだけでは終わらず実践できるようなありがたい内容の本なのだ。(本は読んだだけでなく実践に移すことが大切だぞ!)

ちなみに中島聡氏はnoteをやっているので気になる人は要チェック!→noteリンク(新しいタブで開く)

なぜあなたの仕事は終わらないのか:ポイント

ざっくりとだが、この本を読んで得たポイントをいくつかピックアップしてみた。

<ポイント>

  • ラストスパート志向はやめるべし
  • 「締め切りは絶対に守る」ものと考えるべし
  • 仕事はスタートダッシュで一気に終わらせるべし
  • 作業量は感覚ではなく実際にやってみて見積もるべし
  • マルチタスクをやめるべし
  • 仮眠を取るべし

ラストスパート志向を辞めるべし

まず著者が最も伝えたいことの一つに「ラストスパート志向を辞めるべし」ということが述べられている。

今仕事が終わらなくて辛い思いをしている人は、これまでの仕事のやり方を振り返って見てほしいのだが、大体締め切り直前になってラストスパートをかけるも想定外の事態が生じて結局締め切りを守れていない…なんてことが多いのではなかろうか。本書では一例として筆者の少年時代の夏休みの宿題の経験を語っていた。(ちなみに私は学生時代夏休みの宿題は一度たりとも完成させた事が無いという筋金入りだ…)

著者はこのような仕事のやり方を「ラストスパート志向」と呼んでいる。このような仕事の仕方ではどんな天才でも能力を発揮できず仕事ができないレッテルを貼られトップ集団から脱落していく…という光景を目の当たりにしたそうだ。

確かに、自分が他の人に仕事を頼んだ場合を考えてみる所を想像してみると、多少出来が悪くても納期に間に合う方が心象が良いと感じる。

「締切は絶対守る」ものと考えるべし

「ラストスパート志向」から脱却するにはまず「締め切りは絶対に守る」という認識を持つことが必要があると述べている。

「締め切りを絶対に守る」ということは基本的なことであるが、著者曰く40年間仕事をしてきた結果、これができる人は100人に1人の割合だったそうだ。

どんなに優秀で優れたアウトプットをした所で締め切りに間に合わなければ評価はされないのだ。

身の回りで仕事ができる人を想像して欲しい、とにかく納期を絶対に守るという強い信念..いや執念を感じないだろうか?

スタートダッシュで一気に終わらせるべし

締め切りを守るにはどうすれば良いかと言うと仕事をさっさと片付けてしまうのだ。実に単純明快だ。(ここは本書で一番伝えたい内容だからちょっと長々かいているぞ)

夏休みの宿題に例えると、「ラストスパート志向」の人は8/31に宿題に取り掛かる人であり、このような宿題の進め方ではとても9/1の新学期には間に合わない。本書では、夏休みの宿題は最初に一気に終わらす方法を紹介している。

つまり、夏休みに入った途端に全ての宿題をほぼ完成まで持っていく。こうすることで8/31にあわてて宿題をしなくても良く確実に終わらすことが可能となる。本書では仕事を一気に終わらせるためのスタートダッシュ方法について紹介している。

やり方としては単純で例えば10日で仕上げる仕事があるとする。まずは2日で仕事を全て終わらすのだ。そしてこの2日間はこの仕事一本に集中してとにかく終わらすことを目指す。仕事は8:2の割合で考え常に2割の期間で終わらせることを考えるということである。

また、2割のスタートダッシュ期間の仕事への取り組み方を漫画ドラゴンボールの「界王拳」という技をイメージしているのが面白い所だ。

「界王拳」というのは一瞬だけ己の限界の何倍ものパワーを引き出す主人公の必殺技だが使用すると体にかなりの負担がかかる必殺技である。(どうでも良いが界王拳出す時などに流れるBGMってカッコいいよね。)

仕事に取り掛かる際は「界王拳」を駆使し、スタートダッシュ期間はとにかくコーヒーを飲む、トイレに行くなど一切行わず脇目もふらずに仕事をするのである。著者はこの感覚を息をしないで仕事するイメージとも述べている。(ちなみに界王拳初登場はドラゴンボールZ 29話だ!最高にカッコいいのでぜひ見るべし!)

あと仕事を早く終わらせたら早く提出する、というのは間違いで残り8割の期間は仕事のブラッシュアップや微修正にあたる。仕事の完成度を上げるていくのだ。

作業量は感覚ではなく実際にやってみて見積もるべし

仕事の見積もりは仕事をほぼ完成させてから初めて行う。こうすることでタスクを正確に把握することができるためである。

実際の仕事をイメージしていただきたいのだが、仕事の見積もり方はどうしているだろうか?私もそうなのだが、まずは自身の経験を踏まえ「なんとなく」で作業期間を決めている。

その結果、無理なスケジュールや、逆にリスクを考慮して余裕が有りすぎるスケジュールにしてしまったりする。特に余裕が有りすぎるスケジュールは「ゆっくりやろう」思考につながり結局ラストスパートに追い込まれてしまう。

そこへ行くとスタートダッシュ仕事術は、作業を最初にほぼ終わらせてしまうためかなりの高精度な見積もりが可能となり、作業リスクの測定が可能となる。

私も実際に仕事をしていて昔仕事ができる先輩に作業を見積もる際はまずはやってみるんだ..的なことを言われたことがあるが本書を読んでその時の言葉を思い出した。(やはり仕事ができる人は少なからずこうした働き方をこっそりとやっているようだ。ずるい!)

ちなみに、スタートダッシュ期間(2割の期間)で仕事が終わらなかった場合は、その時点で緊急事態と判断してスケジュールを伸ばしてもらうよう交渉するのだ。

マルチタスクはやめるべし

著者は、仕事をする際にマルチタスクではなくシングルタスクで進めることを推奨している。マルチタスクは作業効率が悪いからだ。

スタートダッシュで仕事をしている期間…つまり「界王拳」を使用している期間はとにかく電話、メール、トイレ、コーヒーといった作業を一切行わずメインの仕事にのみ集中する。(メールなどその他のタスクは「界王拳」を使用していない時間に行う。著者は本書で「流し」期間と呼んでいる。)

これを実現するためには、メインの仕事以外の仕事は基本的に受け付けないようにするのだ。

ただし、著者の仕事であるプログラマーでこのようなシングルタスクでの仕事で問題ないのだろうが我々の仕事はそうはいかないので工夫が必要である。本書では、我々の仕事に置き換えマルチに仕事を進める案を紹介しているのでここでは詳しい説明は割愛する。

ただ、後半で記載しているが実際に本書で紹介している仕事術を実践しているが、シングルタスク化が中々難しいと感じるのでここは実践しつつ自分にフィットした方法を編みだすしかないのだろう。

仮眠を取るべし

仕事の生産性を最大限に上げるため、眠くなったら仮眠を取ることが大事になってくる。

本書では睡眠は脳の疲れを癒やす唯一の方法と述べており、ロケットスタートで仕事を進める際、物理的な集中力が保てる期間を伸ばす秘策なのだ。著者は仕事中でも眠くなったら布団に入ってガッツリと寝ているそうだ…(一体どんな仕事場だったらこんな働き方ができるのだろうか。)

我々一般的な働き方をしている場合は仕事中に仮眠というのは難しい。なので、例えば昼休憩、電車通勤の合間に仮眠を取るのが良いだろう。

肝心なのは、生産的な活動をする時間を増やすことにある。家に帰ってきて疲れて何もできないのであれば、いっそのこと仮眠を取るのも良いかもしれない。

なぜあなたの仕事は終わらないのか:仕事術を実践してみた

本書を呼んだ後、さっそく本書で説明しているロケットスタート時間術を実践してみた。始めて早2週間、効果を実感しはじめている。

具体的に実践しているのは、本書でも述べているのだが前日寝る前に次の日のToDoリストを作成することと、それを午前中までに8割終わらせるという単純なものである。(このやり方は、本書でも述べられている)

とにかく午前中は上述した「界王拳」を使用してトイレやコーヒーは飲まず、昼休みまでただ只管にタスクの消化に努めている。また、朝も1時間早く会社に行くことで誰にも邪魔されない時間を作ることに専念している。正直最初の1時間はタダ働きであるがそんな事はとりあえず置いておいて、とにかく作業に余裕を作るのが大事で今後の投資と考え割り切ることにした。(サビ残ばっちこい!自己投資その分を自己投資と考えることにした)

気になる効果としては、とにかく面倒な仕事でも後回しにせず取り掛かることができるようになったことに加え、仕事にも余裕(本書ではスラックと呼ぶ)が生まれてきている。

こうなってくると、仕事も周りが見えるようになってきて楽しむ余裕ができている。

面倒な仕事というのはついつい後回しにしがちなため放置した結果、頭の片隅にずっと残っているためかなりのストレスを感じるものだが、一気に「ほぼ終わり」までやってしまうとかなり晴れやかな気分である。仕事に追われている時には感じない実に晴れやかな気分である。

まだまだ、「界王拳」→「流し」のタイミングや時間配分などわからず、「界王拳」の集中度合いも低いので徐々にブラッシュアップしていくつもりだ。

また、今までのツケとばかりに今は過去のツケのおかげでラストスパートを余儀なくされたタスクがあり、完全に著者のような余裕がある働き方はできていないものの、このままやっていけば今後必ず仕事に余裕が生まれるだろう。

そう信じて今はひたすら邁進するのみである。

なぜあなたの仕事は終わらないのか:最後に

私はまだまだこの本と出会ってから日が浅く、絶賛実践中であり

このタイミングでちょうどテレワークが私の会社でも導入がはじまったため、この本で紹介している仕事術を実践して成果を上げていこうと考えている。

テレワークは自分の家という快適空間で働くため、緊張感が無くだらけてしまう人もいるだろう。こうした人は今後淘汰される新時代がやってきている。

この本はそうした時代を生き抜くため指針を示してくれるに間違いない。私はそう信じている。

以上…

おまけ:ビジネス書を安く読む裏技

ちなみに、AmazonのKindle Unlimitedであれば「なぜあなたの仕事は終わらないのか」が読むことが可能なので、試しに入会してみてみるのもおすすめだ。

Kindle Unlimeted とは月額980円で対象の本が読み放題となるサービスだ。以下にリンクを張っておこう。

まずは初月無料なので、試しに入会してみて読みたい本があまり無いのであれば退会すれば良い。今回紹介した本は実はKindle Unlimetedに掲載されているのを偶然見つけて読んでみた本だ。

このように普段は手に取らないような本も気軽に読めるのがこのサービスの良いところなので非常におすすめだ。ビジネス書1冊大体1,000円以上することを考えると月に1冊以上読む人には非常にコスパが良いサービスである。

電子書籍であれば、一旦DLしてしまえばスマホでいつでもどこでも読めるメリットがある。私の場合はiPod touchを利用して通勤、エレベーター、トイレの中といったちょっとしたスキマ時間にさっと取り出して読んでいる。(非常におすすめだ)

私はIT系の企業で残業もかなり多い仕事だが1週間に1冊程度であればこの方法で読んでしまえている。非常におすすめの方法だ。

また、電子ブックの良いところは欲しいと思ったら即購入可能なことだ。わざわざ会社帰りに本屋に行って購入しようと思っている内に熱が冷めてしまい結局購入しない…これは非常にもったいないのでやはりスピードは重要だ。

良いなと思ったら即行動である。駄目なら引き返せば良いだけ。メリットしか無いだけなのだ。

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