最近私は、Amazonプライムビデオで名作グルメアニメ「美味しんぼ」を見直しているのだが、とある話で蕎麦に関する話があった。
この話では独学で蕎麦屋をやっている若造に老舗そばの名店の店主が蕎麦ツユの製法を教えるという話なのだが、それを見て私は無性に蕎麦を食したくなったのだ。
もちろん、本物の蕎麦である。近年は富士そばだのゆで太郎だの安く気楽にそばが食べられる店が増えたのだが、そうしたエセ蕎麦屋ではなく本物を食べさせてくれる店へ行きたいと思った。
そこで、早速私は友人のTSを誘い、創業明治17年のまごうことなき老舗の神田にある「まつや」へいくことにした。
まつや公式HP→http://www.kanda-matsuya.jp/
※注意:蕎麦のレビュー記事になるが、私は美食倶楽部の海原雄山先生のような鋭敏な味覚の持ち主ではないため、レビューは全て私個人が感じたことであり、一参考までに呼んでいただければ幸甚である。
目次
老舗そば屋「まつや」
創業は明治17年(1884年※)。蕎麦は二八蕎麦の藪蕎麦でツユは濃い目なのが特徴だ。
※調べてみたのだがこの年の10月31日は埼玉県秩父群の農民が武装蜂起したかの有名な秩父事件が勃発した年らしい。
アクセスは神田駅から徒歩5分ほどの場所にあり、秋葉原の町並みが神田川を挟んで見えるような位置にある。この街は秋葉原の雑然とした雰囲気とは打って変わって、静けさが感じられたのは私の気のせいではないだろう。
↓↓ 神田「まつや」のアクセスマップ↓↓
実はこの場所、第二次対戦の戦火を免れた数少ない土地の1つらしく、そのおかげで老舗の飲食店が多いというわけだ。
蕎麦の老舗といえば「まつや」の他に「かんだやぶそば」が有名だが、2013年に火事で焼けた後リニューアルし、味が変わってしまったという口コミを見たため今回は「まつや」に行くことにした。
まずは板わさとビールで一杯
我々デスクワーカーは、この時期エアコンのため乾燥しきった環境に長時間晒される。なので、まずはビールでその乾ききった喉をうるわすことにした。
ビールは中瓶を注文。この時同時に、熱燗も注文したのだが、ビールを飲み終わった後にちょうどアツアツの熱燗が出来上がることだろうと見越してのことだ。
つまみには板わさを注文し、最後に盛り蕎麦が来るよう注文した。(余談だが、蕎麦本来の味を味わうにはもりそばが通な食べ方なので覚えておこう。)
ほどなくして、ビールと板わさが登場、合わせてお通しの蕎麦味噌?という謎の味噌まで出てきた。(素晴らしい!)
ちなみに、熱燗は想定よりも早めに出来てしまったためビールとダブルブッキングとなり失敗した。
蕎麦の前に熱燗をチビリチビリ
気を取り直して、ビールを飲み干し、間髪入れずに日本酒をチビチビと飲む。
ここまで、時間にして30分も経っていないだろうが、恐ろしいまでの満足感がある。酒とつまみがうまいこともさることながら、老舗そば屋で仕事帰りに飲むという、通常の飲み屋では味わえない、非日常感がそのような気にさせるのだろう。
蕎麦は江戸時代に流行ったファストフードなのだが、当時気が短い江戸っ子に好まれて食べられていたそうだ。蕎麦を注文して来るまで日本酒を飲んで待ち、蕎麦をさっと食べてサクッと帰るのが粋だったのだ。
最後は蕎麦で締めてサクッと帰るのが粋
酒もほどほどに蕎麦を持ってきてもらうよう女将に依頼。事前に注文していたからか蕎麦はすぐに来た。
蕎麦は大盛を注文したが、量的には通常サイズ。
まずは早速蕎麦を食一すすり。。。(う、うまい!!なんだこれは!?)、のりをに衝撃が走った。
麺は程よい歯ごたえで香りがよく、つるつると下喉越しだ。そのまま噛まずに飲み込んでもすっと喉を通る滑らかさだ。これは大量のお湯と強火で一気に茹で上げた後に、冷たい水で一気にしめなければ出ないものだろう。
そして、ツユは濃口ながら荒々しさが無く、甘みがありまろやかな深みのある味で、そのままスープとして飲んでも全然飲める。(うまい!!)
思わず、この出汁を取ったのはだれだぁっ!!と海原雄山先生のように叫び出したくなる味だ!!
余りの旨さに我々2人、蕎麦を取ってはツユに付け、ひたすら無言で食べ続けた。(箸が止まらないっ!?)
あっと言う間に蕎麦を食べ尽くした我々は最後に蕎麦湯を注文。蕎麦を最後まで味わいつくしたのである。時間にして1時間も経っていないだろうが、信じられない幸福感と満足感に包まれた我々はお会計を済ませさっさと店を後にした。(粋だ!!)
お金も一人2,000円ほどとリーズナブルで財布にも優しい。やはり蕎麦は庶民の味方!老舗なのに奢り高ぶらない姿勢が素晴らしい。
結論:流石老舗の蕎麦屋と言ったところ
正直私は、今まで蕎麦はどこに行っても所詮蕎麦は蕎麦だろうと高を括っていたのだが、その考えは見事覆されてしまい、いままで無知で愚かだった自分を恥じる結果となった。
老舗蕎麦屋の蕎麦はやはり遥か昔から連綿と続いてきた理由があった、というわけだ。
今まで私が食べてきた蕎麦とは一体なんだったのだろうと思わされる程の衝撃が私の中に走った。私はなんと無知で愚かだったのだろうか、、、自分が恥ずかしくなった。
今後は月一で老舗めぐり
この経験により味をしめた我々は今後も月一くらいで蕎麦屋の老舗めぐりをしようと密かに決意した。
もちろん、夜の仕事帰りだ。こうした店は休日の昼間は行列を作るため入店するまでに大分時間がかかる。その点、夜に行けば並ばずに入れるので、会社帰りの時間にいくのがちょうど良いだろう。
また、短時間でここまでの満足感を得られるのはかなりありがたい。あいた分はブログを書いたり、勉強したりとそうした時間に使えるからだ。
おわり