大人になったら一度は食べてみたいと思っていたもの…何かあるのではなかろうか。思い出してみて欲しい。
銀座の回らない寿司屋の寿司、キャビアをスプーン一杯にすくって食べる、ステーキの上に乗ったフォアグラ…こうした料理は贅沢で子供の頃は親は中々食べさせてくれない…つまり夢の料理である。
私にはこの夢の料理の中にフグのコースを食べるという夢があった。特に薄い刺身何枚か一気に食べる。死ぬ前に一度でもいいからやってみたい。
しかし、フグは安くても1〜3万円くらいはくだらない高級魚。気軽に食べられるものでもない。30歳にもなったがそんな高級魚を簡単に食べられるほど稼ぎはよくはない。
半ばあきらめかけていた頃にリーズナブルにフグを食べさせてくれるお店を発見した。高級フグコースをなんと、3000円〜5000円ほどで食べさせてくれる素晴らしいお店だ。今回はこの素晴らしいお店、上野「きくち」を紹介しよう。
湯島のフグ料理屋「きくち」とは
簡単に言うと東京の上野にある虎フグ専門店である。
このお店はフグのコースを2500円〜4000円くらいで食べさせてくれるお店で予約必須の人気店だ。
「きくち」のフグコースメニュー
驚くべきことに、フグの刺身、唐揚げ、鍋などなどついて4,000円ほどで食べれてしまう超リーズナブルなお店なのだ。(時期によって値段の変動はあり。4月時点で上記値段でした)
フグは養殖ものだが虎フグ。十分高級なことに間違はない。(トーシロー※が食べても天然と養殖なんて判りはしない)
※トーシロー:素人を意味する俗語のこと
フグ屋の上野「きくち」に実際に行ってみた
ただ紹介するだけであれば個人ブログの意味はない。そこで実際にお店に行って高級フグを食してみたのでコース料理を紹介しよう。
来店したのは4月中旬。コースは4,000円の唐揚げ、刺身付きのコースである。
「きくち」の店の前
湯島の路地裏にひっそりとあり、店内は二人がけのテーブルが6セット…つまり12人ほどのこじんまりとしたお店だ。
予約時間に到着すると机には既にお通しのフグのにこごり、チャンジャ?的な料理が用意されていた。
フグのにこごり。プルプルさっぱりで優しいお味でうまい
フグのチャンジャみたいなやつ。だしの旨味が効いていてうまい
このラインナップ、酒!飲まずにいられない!!
ということでまずはビールと行きたいところだがここは冷静に日本酒を頼んだ。ビールはフグの唐揚げのタイミングで頼もうか、そう考えていた矢先に間髪入れずに唐揚げが到着。(ビールにしておけば良かった…)
唐揚げは身がふわふわ。旨味がやばくてすごくうまい。
鍋まである豪華コースなのだが滞在時間は大体2時間と決まっているためとにかくペースが早い。
ビールを頼まなかったことを若干後悔しているところにさらにフグの刺身の波状攻撃。夢にまで見たフグの刺身にテンションがMAXになる。
ふぐの刺身(4人前)。刺身なのに旨味が半端なくうまい。
フグ刺しの半端ない旨さときたらもう…思わず「これ以上ワシを泣かせんといてくれ」と心の中の京極万太郎※が今にも泣き出しそうになった。
※京極万太郎:アニメ美味しんぼに出てくるお金持ちのおじさん。
アニメ「美味しんぼ」ではフグの味を旨味の要素がいくつも絡み合って芳醇かつ玄妙極まりない…と評しているがその意味がよくわかる味わいだ。
さて、最後のお楽しみの鍋だが刺身を片付けないと用意してもらえないため、少々もったいないがペースアップで食べ切った。そして刺身を十二分に堪能した後はフグ鍋だ。
フグ鍋の具材。ツヤツヤのフグが壮観だ
昆布でダシを取って…
一気にフグをIN!!
準備はお店のおばちゃんが全部やってくれるぞ!フグが煮えるのを待っている間はフグのしゃぶしゃぶを食べる。これがまたうまいのだ。
フグ刺しを分厚く切ったような身を鍋の汁でしゃぶしゃぶして食べる。刺身のもっちりした食感とは違いシャッキリとした歯応えはクセになる。また、かわはプルプルでコラーゲンたっぷりといった具合だ。
厚めに切った身はコリコリとした食感で非常にうまい。
さて、鍋についてだが、正直刺身以上の感動はないとあまり期待していなかったのだが、この鍋が衝撃的に美味いのだ。もうこれだけ食べにきてもよいくらいうまい。これは新しい発見である。
最後はおやくそくの雑炊で締めて。終了だ。
フグのダシが効いていて死ぬほどうまい雑炊
はじめてコースでフグ三昧をした感想としてはとにかく旨味がやばくて舌が馬鹿になりそうだった。。いやはや、良い体験をしてしまった。
4,000円でフグコースを食べさせてくれた「きくち」に感謝。
ついでに、メインメニューではないが他にもひれ酒、白子を注文したので紹介しておこう。
奥:白子、手前:ひれ酒
ひれ酒はダシが効いてて不思議なおあじ。日本酒におでんの汁を入れて飲むような感覚に近いが、とにかくダシの旨味がこれでもかというほど効いており、これ単体で白いご飯が食べられそうなくらいだ。
つづいてフグの白子については濃厚でクリーミーだけどとろけるような口溶けでなんとも言えない旨さであった。刺身で食べても、鍋でかるくしゃぶしゃぶしても食べられるぞ。(ちなみにこれはパチンコで勝ったということで一緒にいた友人が奢ってくれた)
ふぐの白子(個別に注文)。濃厚でクリーミーでうまい
ちなみに我慢できずビールを注文。ビールは大好きなサッポロビールなのが嬉しいところ。
ビールはやっぱりサッポロだよね?
上野「きくち」の予約の取り方
このお店、予約が必要な人気店であるので、予約のコツについて紹介しよう。
この店の予約は基本的には電話一本のオールドスタイルを貫いている。
予約は1ヶ月前からが基本なので、月初めに来月の予約を取り付けるというのが一般的な予約のやり方だ。
ただ、予約の電話を入れた時にはすでにほとんどが埋まってしまっているなんてことはざらだ。
そこで、1ヶ月前に朝一で電話するのも手だがおすすめはTwitterだ。(きくちのTwitterアカウント)
なぜか予約は電話なのだが、情報展開はTwitterを利用している謎の手法をっている。このTwitterで予約状況を逐一展開しているのでその情報を元に電話をするとスムーズだ。
さいごに
今回は大人になった今だからこそ食べてみたい夢の料理、フグをリーズナブルに食せる上野「きくち」を紹介した。
予約も取りづらいかもしれないが、ぜひトライしていただければと思う。
ちなみに、コロナ対策としては検温、クリアボード、箸を2膳(食材を取るようと食べるよう)を用意してくれているなど、しっかりと対策していた所が中々の好感がもてた。
こういうのって大事だよね?
以上