古いデスクトップPCが使われずに放置状態で家にある。OSはWindows7だし、スペックも貧弱でどうにも使い所が無い。
Officeや文章作成などマシンパワーを使用しない作業には何ら問題ないのだが、メインPCとしては微妙な端末。売るにしてもスペックが古すぎて売れる気がしないし、何かに利用できないか?こんなお悩みを抱えている人は多いのではなかろうか。
Lenovo H320(2012年モデル)大学の勉強用途で購入
今回はそんな持て余しているWindows PCの再利用方法としてベタではあるが、ファイルサーバーを構築したので、その魅力と簡単な構築手順について紹介する。眠っているマシンがあるなら是非トライしてみて欲しい。(※詳細な設定手順は参考にしたリンクを貼るのでそちらを参照していただきたい)
もて余してたマシンが復活して再利用するというのは何とも言えない魅力があるものだ。あと、秋葉原で中古PCを安く買って大容量HDDを増設して構築しても面白いかもしれない。
ちなみにCPUはこんな感じ
この記事は以下の方を対象に書いてます。ITに詳しく無い人だとちょっととっつきにくい所も多いが、頑張って見てほしい。
- 古いPCを再利用したい
- ITを学んでいてサーバー構築の勉強がしたい
- 安価でファイルサーバーが欲しい人
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クラウド時代に物理サーバーを構築する意味
まず最初に述べておくのがこの話し。今はどこもかしこもクラウド、クラウド。そうクラウド時代である。
今の時代、物理的なリソースを持ちサーバ運営など時代遅れであり、クラウド環境でサクッとサーバー構築ができてしまう時代である。
ではなぜ今物理サーバー(クラウドと対比してオンプレミスと呼ばれている)なのか?
それはやはり物理サーバーにも良さがあるからだ。まず第一に余っているサーバーで構築できることだ。これにより電気代以外のサーバー構築、利用にかかるコストは無料だ。
第二に実際に物理サーバーを構築することでクラウドに隠れてしまっているサーバーの本質についてイメージしやすくなるメリットがある。特にこれからITに参入しようという人達は複雑怪奇なサーバーの物理面は意識せず利用することになるのだが、やはり一度くらいは物理も意識するべきだろう。
そして最後に、カッコいいからだ。想像してみて欲しい、友人に「俺、Myサーバー持ってるよ?」と言ったときのことを。きっと羨望の眼差しを受けリスペクトされること請け合いだ。ちなみにドン引きするようなやつにはこのロマンが分からない野暮な奴なので距離を置くと良い。
さて、クラウド時代に物理サーバーを構築する意味についてまとめると。
- 余ってる古いPCを使えばコストがかからない
- 物理サーバーの勉強になる
- カッコいい
さんざカッコいいことを言ったのだが、Linuxを入れてコンテナを構築してMyプライベートクラウドを構築するという変態的な行為は特にしないので安心していただきたい。
不要PCのファイルサーバ利用
古いPCの利用方法の一つとしておすすめしたいのがファイルサーバーだ。ファイルサーバーとはその名の通り、ファイルを保存しておくサーバーのことで、スマホ、PC問わずファイル共有が可能である。ファイルサーバーはあるととにかく便利だ。
特に近年だとスマホ写真や動画の高画質化に伴いデータ容量が逼迫するというケースも多いと思われる。PCにしても増えすぎたデータをいちいち外付けHDDなどにつなげるのも面倒な状況だろう。
そこでファイルサーバーの出番というわけだ。ファイルサーバーであれば、ファイル移動のようにシームレスにデータ移動ができるし、取り出すことができ他のPCやスマホとのデータ連携も自由自在とすることが可能となる。
ファイルサーバーは非常に便利ゆえそれ単体の専用製品も販売されているほどである。そうした製品の信頼性は高いので重要を保管したい場合はこちらの使用をおすすめする。
そうではなくて、とにかく安価に同じような機能を実現したいんだ、奇特な方は是非マイファイルサーバーを立てるのが良い。
<家庭でファイルサーバーの利用用途>
- スマホの動画、写真の保管
- 端末間のデータ連携
- メインPCのファイル保存やバックアップ
動画編集などしていると数十ギガ単位で容量を使うので、最近動画編集が趣味の僕にとっても非常にありがたい存在である。
それに、拡張生があるマザボのPCであれば中古のHDDを買ってきて拡張したりもできるだろうし、様々なアプリをインストールしてカスタマイズすれば様々な用途に利用可能な可能性を秘めているのもまた夢があって良いところだ。
サーバーがある生活
突然だが、スマホからPCへデータを転送する時はどうしているだろうか?PCとスマホを直接接続するか、メールやLINEを通して同期を取るか、クラウドストレージを使用するのではなかろうか?(iPhoneユーザーが利用するAirDropはここでは言及しない)
しかし、ファイルサーバーを利用する場合は専用のアプリを使用するがファイルサーバーへファイルへ転送するだけでデータ伝送できるのだ。しかもインターネットを経由しないので自宅の高速通信環境を利用できる上に外部ネットワークに接続しないのでセキュリテーィーも比較的バッチリだ。
パンパンのスマホのデータサーバーにプールすることもできるし、そのデータをPCから簡単に閲覧・取得ができるので、データ管理が非常に楽になる。
ファイルサーバー化してテレビ台の下へ格納したLenovo H320ちゃん
Youtubeやブログをやっている人であるならば、こうした環境があると作業が捗り非常に便利だろう。撮影した写真や動画データというのはかなり大きく、扱いにくいことが多く無い。そこでファイルサーバーがあれば、簡単にデータ管理ができるのだ。
また、バックアップ環境としても良いだろう。大切なデータはスマホやノートPCといった端末にいつまでも入れておくとデータが消えたときに大損害となることも少なくないだろう。そうした場合、どこかにバックアップデータを保存しておくと安心だ。
こうした使い方は、NASというファイルサーバー製品を買えば簡単にできるのだが、自宅サーバーは不要と言われればそれまでなのだが中々高価で手が出ない人もいるだろうし、お金をかけてまでそうしたモノを導入しようという気がないかもしれないだろう。
Windowsマシンのファイルサーバー化設定
Windows10へのアップグレード
さて、ファイルサーバーを作成する前にまずはOSのアップデートをする。古いOSでも良いのだけれどもセキュリティのことを考えると新しいOSにアップデートするべきだろう。
とはいうものの、アップデート期間も過ぎてWindows10へのアップデートも無料でできなくなってしまった…と思ったら大間違いで、実は2020年9月(執筆時点)の現在でもWindows10への無料アップデートは可能なのだ。
ということで、下記のサイトを参考にアップデートをしてみた。
手順を簡単に説明すると下記の手順。(詳しくは参考サイトを見てほしい)
<参考サイト>
https://togeonet.co.jp/post-17115
- Windows10のインストールツールをサイトからDL
- インストール用のUSBを作成(USBメモリは8GB以上)
- PCのデータをバックアップ
- OSをインストール
無事Windows10にアップグレードできた!!
やはりWindows7と違ってUIが非常に…うつくしい。そうは思わんかね?
OSのリモートデスクトップ設定
Widowsをサーバーとして利用するにはやはりモニターを繋げず、メンテの際だけリモートデスクトップでつなげてメンテをしたいところ。
ということでリモートデスクトップ設定を行います。
ちなみに、WindowsはPro、Enterprize、Education版が必要だ。Home版だと設定できないので注意が必要だ。ただ、できないこともなく、こちらのサイトで紹介しているようにツールを使用すればリモートデスクトップが可能となります。
設定手順は以下、こちらも簡単に概要だけ説明するぞ。
- コントロールパネル>システムとセキュリティ>リモートアクセスの許可を開く
- 「システムのプロパティ」>「リモート」を開く
- 「リモートデスクトップ」にて「このコンピューターへのリモート接続を許可する(L)」にチェックして「OK」
リモートデスクトップの設定は簡単なWindowsの設定だけでできるので比較的難易度は低いので簡単にできるだろう。
ネットワーク設定
さて、サーバー構築で一つの難所となるのがネットワーク設定だが、めげずにやってみよう。
他の端末からサーバーに接続するためにはサーバーの所在地を明確化する必要がある。ネットワークで言う所のIPアドレスというものだ。
ただ、通常IPアドレスというのはルーターによって自動割り振りされたIPアドレスを使用しているため、その時々によってアドレスが変わってしまう。(これが俗に言うDHCPという機能だ)
PCに常に同じアドレスで接続可能とさせるにはIPアドレスを固定化しておく必要がある。IPが固定化していないと他の端末からサーバーが特定できないので必ず設定が必要だ。
IPの固定方法は2つあるあるのだが、①の場合複数人でWi-Fiを使用する環境だとすべての端末にIPを割り当てなければならず非常に面倒なので、②で設定を実施した。
- DHCPは利用せず手動でIPアドレスを割り当てる。
- DHCPを使うが特定のIPアドレスを特定の端末に割り当てる。
設定方法は使用しているルーターにネットワークアダプターの物理アドレス(MACアドレス)と使用したいIPアドレスを登録するだけである。以下のサイトが参考になるので手順はこちらで確認して欲しい。
<参考サイト>
http://qa.elecom.co.jp/faq_detail.html?id=7100
簡単な手順だけ紹介しておくと以下の2ステップだけだ実施する。慣れていれば簡単なのだが少々分かりづらいので、めげずにやってみてほしい。
- 端末のMACアドレスの確認
- ルーターに固定DHCPを設定
これでIPアドレスが固定されたぞ。ちなみにこの辺の話が分かってくるとサーバーを外部ネットワークに公開して、いつでも何処でも自分のPCへ接続する…なんてことも可能になってくる。
端末のIP設定
今度はサーバーにするPCのIPアドレスを設定する。
設定手順は以下に簡単に紹介する。
- アダプターのオプションを変更する
- 「Wi-Fi」を右クリックして「プロパティ」を選択
- 「インターネットプロトコルバージョン4(TCP/IPv4)を選択して「プロパティ」をクリック
- 「全般」>「次のIPアドレスを使う(S):」を選択して以下を設定。
・IPアドレス:<固定DHCPで設定したアドレス>
・サブネットマスク:255.255.255.0
・デフォルトゲートウェイ:<ルーターのIP>
ファイル共有設定
ファイルサーバーとして稼働させるためにはファイル共有設定が必要です。
手順は簡単で手順は以下。
- 共有したいフォルダーを右クリック>「プロパティ」をクリック
- 「ドキュメントのプロパティ」>「共有」をクリック
- 「ネットワークのファイルとフォルダーの共有」の「共有」をクリック
- 「共有する相手を選んでください」というウィンドウで表示されているユーザーを選択
- 「共有」をクリック
- 「すべてのパブリックネットワークにネットワークの探索とファイル共有を有効にしますか?」でどちらか選択する(特に理由がなければ「いいえ」を選択する)
以上で完了。
ファイルサーバーの使い方
最後にファイルサーバーの使い方について言及しておく。
Windows PCからの利用方法
手順は簡単で以下の2ステップで簡単に接続ができる。
- ファイルエクスプローラーにて「\\<サーバーIP>/~」と入力(~はサーバーのCドライブから共有フォルダーまでのパス)
- パスワードを聞かれるのでサーバーPCに作成したユーザーアカウントのIP/PWを入力
(パス指定の例)
サーバのパス:C:\User\UserName\Documents\共有フォルダ
指定するパス:\\192.168.xxx.xxx\sUser\UserName\Documents\共有フォルダ
毎回パスを入力するのは面倒なので、適当なドライブを割り当てて利用したり、ショートカットを作成しておいて使用すると良いだろう。
スマホから使用する場合
スマホから使用する場合は適当なアプリを使用する。
僕の場合は、Androidで「CXファイルエクスプローラー」というアプリを使用している。探せばファイル共有のアプリはたくさんあと思うので使いやすそうな物を使用するといいだろう。
<CXファイルエクスプローラー>
https://play.google.com/store/apps/details?id=com.cxinventor.file.explorer&hl=ja
また、iPhoneの場合は標準のファイルエクスプローラーアプリで接続できるようだし、Android同様にファイルサーバーに接続できるアプリもあると思うので探してほしい。
<iPhone参考サイト>
https://youtm-log.com/iphone-ipad/ipados_ios_sharefolder/)
さいごに
古いサーバーの利用用途について何番煎じとなったか分からないような記事を書いた。正直見慣れた内容だと思うのだが一応やったことのログを書くのがブログということで紹介してみた。
コロナ禍の中家で過ごす時間も増えたと思う。あまりこうした機会も少ないと思われるので、最強の環境を家に構築してみるのも面白いだろう。
以上
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